人生にはいろんなことが起こる。
先日、タイ料理を食べた。
タイ料理を食べタイ。そう脳内でつぶやきつつ、たまたま見つけたタイ料理屋さんに入ってみた。
その日の僕は疲れていた。
「いらっしゃいませ!お客様、何名様ですか?」
僕は1人で来店していたのに、とっさに「2名です」と答えてしまった。
「あ、ごめんなさい、1名でした」とすぐさま訂正した。
タイ人のお母さん的な店員さんだったが、僕の発言に吹き出していた。
笑ってくれたおかげで、僕も救われた。笑ってくれなかったら、完全に痛い人になっていた。
着席すると、タイの伝統料理がたくさん書かれたメニューを渡された。
数がめちゃくちゃ多い。
いろんなタイ料理を楽しめるのはいいが、どれを選んだらいいかわからなくなる。
人間、選択肢が多いと逆に選べなくなる。
しかも疲れていたので、小さい文字を見ながら選ぶのが面倒くさくなった。
そこで僕は、先ほどの店員さんに丸投げすることにした。
「すいません、おすすめの1品はなんですか?できればヌードル系がいいんですが」
お母さんは優しい声でいろいろおすすめを紹介してくれた。
そして2品に絞られた。海鮮系か、野菜系のヌードル2択だ。
どちらの料理にも、辛さを表す唐辛子マークが1本付いていた。3段階の辛さのうち、1番やさしい辛さだ。
僕はあまり辛いのが得意ではないので、辛くないようにしてくれないかお母さんに頼んでみた。
すると、野菜系なら辛さ控えめで作れるということだった。それならということで、僕は野菜を選んだ。
「なるべく、辛さおさえめでお願いします。なんなら辛くないほうがいいです」
そう伝えたところ、「ワカリマシタ、ほぼ辛さナシネ」と答えてくれた。
ちなみに僕は、カレーを食べるときも甘口である。ぜんぜん大人じゃない。
料理が運ばれる
15分くらいして、料理が運ばれてきた。ザ・タイ料理という感じのヌードルだ。写真を撮り忘れたが、イメージこんな感じである。
「辛さ、オサエメ!ヒカエメ!オイシ!」と店員さん。
けっこう色が赤いのが気になったが、とても美味しそうな香りがして食欲がそそられる。
食べてみた。
すごく辛い。
辛くてせき込んでしまった。
どういうことだ。話がちがう。
ピリ辛ならまだ分かるが、汗をかくほど辛い。
飲んでいたコーラは瞬殺でなくなった。
コーラのあとはお水のお世話になったが、お水もすぐになくなってしまう。
お水を飲んで何度もトライしたが、やはり辛い。
唐辛子のマークを5本くらい立てたほうがいい辛さだ。
結局申し訳ないが、僕は半分も食べられなかった。タイ人のお母さんにはごめんなさいをした。
「アラ、カラカッタ?辛さヒカエメ」
タイ人の言う「辛さ控えめ」は、僕の舌で言う激辛だというのが今回わかった。
今度タイ料理屋さんに行くときは、唐辛子マークの付いていない料理を素直に選ぶことに決めた。